いきなり難しい話題からで、恐縮・・・
安全に長生きするためには必要なんで、がまんして読んでね。
私たち、ハング・パラパイロットにとってちょっとでも有益に利用できるように、色々な知識や考え方を書いていきます。(間違った判断もあり、専門家からすると不十分な部分も多いと思うので、そのときは追記して下さい。ヨロシク)
ヒューマンファクター(人的要因)とエラー対策 最近ではハンググライダー・パラグライダーの事故は以前と比べると、かなり少なくなってきました。 初期の頃と比較すると、機体性能や、技術・知識面での向上が大きく貢献しているものと思います。しかしながら、いざ事故が起こると、かなりの重大事故につながっているのも事実で、熟練者やコンペティターといわれる人の事故も目立ってきています。
これはどうしてなのか? 航空機事故の実に8割がヒューマンエラー(人的要因)に起因するものであると云われています。そして、ハンググライダー・パラグライダーに至ってはほぼ100%がヒューマンエラーと云われています。
いくら機体性能や、技術・知識面での向上があっても、それを扱うパイロットの意識に問題があり、ヒューマンエラーを侵しているのでは安全に飛行することは出来ません。特に近年では、社会傾向でもあるように、コミュニケーションと自立心が若干欠乏し、自ら考え意識するということが少なくなり、人の判断に任せがちで、自らのエラーにも気づかないということになってきています。 危険を予知し、避け、また解決して安全に飛ぶためには、このヒューマンエラーを限りなくゼロに近づける必要があるといえます。
ヒューマンエラーというのは何であるのか、その実態を知り、事故防止のためにそれをいかに克服するか。そのためには次のような認識、取り組みが必要であると思います。
ヒューマンファクター(人的要因)とエラー対策
パイロットの危機管理意識の構築(リスクマネージメントへの取り組み)
危機・危険に対する認識を深める。
過去の事例から、他の航空関係の取り組みとの比較
それでは普段私たちはどのようにして、このスカイスポーツというものを楽しんでいるのでしょうか?
初期の段階では、ただ既に鳥のように飛んでいる人たちに憧れ、自分もあのように飛べるのだとの確信を持ち、殆ど身体が浮く程度のところで、指導者やスクールの完全管理の下に練習に励みます。この時には、何かアクシデントが起こったとしても、それは指導者・管理者に問題が多くあり、練習者は単に云われるまま、為すがままの状態です。指導者やスクールとしては、危機や危険に対する知識・認識のない人に期待しても無理との判断で、敢えて指導者が代わりとなり、判断したり指示したりしているのがほとんどです。 そして、次に独り立ちして飛ぶようになると、徐々にパイロット達の能力、結果に差が出来てきます。
もし、パイロット達が同じようなアクシデントに遭遇したとしても、ある者は、難なくやり過ごし、ある者は、より不幸な方向に事が進んでしまい事故となります。 このように初期の練習段階から、パイロットとして通常に飛ぶようになってからも共通していることは、例え誰であっても、何かをする必要に迫られたときに、「知らない事は出来ない。」という至極当たり前のことが起因しているのです。 それは「絶対やってはいけない事、絶対守らなければならない事」を知り、「転ばぬ先の杖」としているかどうかということで、パイロットの生命をも左右する非常に重要なことなのです。(練習段階の生徒にもいえることです。)
それではどのようにして、知らない事が知っている事となり、危機・危険を認識し、回避できるようになるのか? それはその後の教育や自らの経験、他の人の経験や事故の教訓等から「やってはいけない事、守らなければならない事」を学び、危機管理の一つとしているからなのです。
重要なことは、危機管理に対する意識・姿勢であり、常に先の可能性を予測すること、知らないことは知ろうとする姿勢なのです。子供は「火は熱いもの」ということを、自らの手で触って経験し、学習しますが、私たちパイロットが、経験のみで学習していたのでは、命が幾つあっても足りません。ライト兄弟に始まった航空機の歴史で、先人達が数多くの教訓を与えてくれています。それはハンググライダー・パラグライダーであっても同様です。「彼らの失敗を自らの教訓にする。彼らの経験的知識を自らのものへと取り入れる。」等々すれば、危機管理の一助となるものです。
危機管理に必要な考え方、方法としてCRM・ADMというものがあります。これらは、パイロットのミスを減らす方法として、あらゆるリソース(情報・知識・手段)を使い、次に起こるであろう危機に如何に対処するかという考え方です。これらは過去の度重なる航空機事故の教訓から生み出されたもので、現在のパイロット教育の基本ともなっています。
そして、私たちハンググライダー・パラグライダーにとってもこれらは非常に重要で、それらを取り入れることにより、個々人によるばらけたものではない均一化した危機管理が出来、危険からの回避が可能となるものです。
~次回に続く~